セラミックと金属製の被せ物を比べると、セラミックは自然の歯に近く、美しく見えること、生存率が高い(予後が良い)上に接着工程の面からもむし歯ができにくい、歯周病予防になると言った利点があります。また、セレックという専用機器で作製し1日で仕上げられるため、通院する時間のご負担を軽減できることもメリットです。
保険診療でできる金属製は経済的には優れていますが、金属アレルギーの方には向かないなどの面もあります。
保険診療では、決まった歯科材料しか使う事ができません。そのため、最新の歯科材料に比べて生体親和性が低く、経年劣化もしやすくなっています。すると、歯と詰め物・被せ物(補綴物)との間に隙間や段差が生じ、歯垢や細菌などが沈着することでむし歯の再発リスクが高まるのです。
例えば、保険診療で入れた銀歯というのは、4~5年持てば良いと言われています。実際、保険の銀歯は、74%の確率でむし歯になるというデータが存在します(※北海道大学・森田教授より)。再治療を繰り返せば、歯質がどんどん失われ、最終的には抜歯となります。
一方、セレックで用いるセラミック材料は、天然の歯に似た性質を持っており、適合性が良く、経年劣化しにくいです。そのため、天然の歯とかみ合う際に、どちらかが極端に摩耗することもありませんし、歯垢や細菌が沈着する隙間なども生じにくく、むし歯の再発リスクを低減できます。
ちなみに、セレックで製作した詰め物・被せ物(補綴物)の適合性が高いのは、コンピュータ制御で精密に歯の形を再現し、特殊な接着方法を行うことで精密な治療が可能となるからです。ただし、このセレックシステムを使いこなすには、設計や装着に関する高度な技術と知識が不可欠です。長年、セレックシステムを活用している当院では、この部分にも自信を持っております。